世界的なサイバーセキュリティコンペティション「Pwn2Own Berlin 2025」において、Viettel Cyber Security (VCS)チーム(チーム名:Team Viettel Cyber Security)は、ドイツ・ベルリンで開催された仮想化サーバーおよびエンタープライズ・アプリケーション部門で見事な成績を収め、第2位に
輝きました。この成績は、VCSにとって戦略的転換を示すものであり、過去2年連続で優秀な成績を収めてきたスマートデバイス部門での従来の成功に
加え、現代のサイバーセキュリティのトレンドに即した革新的で挑戦的な分野への研究へ焦点を移したことを象徴するものです。

VCSチームは、2年連続(2023年~2024年)で第1位を獲得したスマートデバイス部門での実績をたずさえ、仮想化サーバーおよびエンタープライズ・
アプリケーションという新たな領域へ初挑戦。初挑戦でありながらトップクラスの成績を収めました。
Pwn2Own Berlin 2025:戦略的な転換点として新たな部門への挑戦
Pwn2Ownは、Zero Day Initiative(ZDI)が主催し、年に3〜4回世界各地で開催される、世界最高峰かつ最も権威のあるサイバーセキュリティコンペティションの1つです。
各シーズンにおいては、特定の分野やテーマに焦点を当てられています。2025年においては、以下の3つの大会の開催が計画され、うち2つの大会が終了しています。
- Pwn2Own Automotive Tokyo (1月開催):スマートカーデバイスやコネクテッドカーを対象とした部門に注力
- Pwn2Own Berlin (5月開催):仮想化サーバーおよびエンタープライズ・アプリケーションの部門に注力
- Pwn2Own Toronto (年末開催予定):スマートデバイス関連の部門に注力
VCSは、2023年(アイルランド)、2024年(トロント)で開催されたPwn2Ownのスマートデバイス部門においてで優勝を果たしました。我々のチームは戦略を大胆に転換し、2025年の大会ではより複雑で高度な技術が要求される仮想化サーバーおよびエンタープライズ・アプリケーションの領域へと、研究開発および挑戦に注力しました。
その結果は、チームはNVIDIA Triton Server、Oracle VirtualBox、そしてMicrosoft SharePointといった具体的なターゲットの攻略に成功しました。これらはいずれもセキュリティレベルが高く、これまで悪用の成功例が非常に少なかった領域です。特に競技に初めて導入されたAI関連のターゲットは、深い分析、システムレベルの攻撃能力、そして新たなセキュリティトレンドに対する最新の理解が求められました。
新たな挑戦とトレンドを切り拓く
従来の得意分野であったスマートデバイス部門での連続優勝の後、Team Viettel Cyber Securityは積極的に新しい領域へと焦点を移しました。その結果は、好結果を収めただけでなく、セキュリティ脆弱性の研究と悪用における新たなトレンドを切り開くことにも貢献しています。
AI部門は、単なるプロンプトインジェクションの問題に留まりませんでした。競技参加者には、ベクトルデータベース、モデル実行フレームワーク、開発ツールなど、AIシステム上での任意のコード実行(RCE)の悪用が求められたのです。これは、現代の脅威がどのように変化しているかを明確に示す、最先端のセキュリティ研究の方向性と言えます。

VCSのチームはAIを標的として悪用に初めて成功しました
さらにTeam Viettel Cyber Securityは、今年のコンペティションで最も困難なターゲットのひとつとされたMicrosoft SharePointの悪用にも成功し、
国際的なサイバーセキュリティ・コミュニティに衝撃を与えました。

今年のコンペティションで難易度が高いとされたターゲットのMicrosoft SharePointの悪用に成功しました

公式競技では、各チームに合計30分と最大3回のチャレンジが与えられました。しかし、Team Viettel Cyber Security は、全ての目標を最初のチャレンジで完璧に攻略しました。特にVirtualBoxの目標では、1秒もかからずに成功し、その驚異的な正確さと徹底した事前の内部準備が浮き彫りになりました。

VirtualBoxの悪用に成功しました
研究領域の拡大およびVCSのサイバーセキュリティ研究力の強化
Team Viettel Cyber SecurityがPwn2Ownの仮想化サーバーおよびエンタープライズ・アプリケーション部門で上位入賞を果たしたのは今回が初めてであり、これは、新たな専門分野におけるVCSの研究開発活動が着実に進展していることを示すものです。未知のターゲットに対する迅速な適応力、深い分析力、そして正確な攻撃能力は、VCSの包括的なセキュリティ研究力と最先端技術の習得力、そして次世代セキュリティ分野への長期的な投資戦略を表しています。
次世代を担う新進気鋭な若手によるVCSの持続可能な成長戦略の証明
今回参加したVCSのチームは、Z世代の若手専門家たちで構成されました。この若くも有能なチーム編成は、VCSが内部能力の向上、実践的な専門家の
育成、そして「Make in Vietnam」のサイバーセキュリティ製品推進という持続可能な発展戦略を具現化していることを証明しています。
VCSの情報セキュリティサービスセンター所長であるマイ・スアン・クオン氏は、「若い専門家に重要な役割を任せることは、信頼を示すだけでなく、
ベトナムの次世代情報セキュリティ部隊を育成するための戦略的な一歩でもあります」と語りました。
国際舞台での存在感を高めるVCS
Pwn2Own Berlin 2025での実績は、VCSが主要なテクノロジーイベントにおける国際的な存在感をさらに強固なものにしたこと示しています。これは、
ベトナムの専門家たちが、攻撃技術、脆弱性分析能力、そして大規模な競技戦略の調整能力において、絶え間ない進化を遂げている明確な証拠です。
日本総代理店
株式会社Cyberzeal
Email: [email protected]
Web: https://www.cyberzeal.jp/